醗酵式による炭酸ガスの発生(ペットボトルの利用)
 技術って、不思議ですね。思いもよらないところで技術が繋がっています。
  ペットボトルを用いた簡易な給水装置を作っていますが、そこでは2箇所に穴をあけて
 ジョイントつけたキャップが部品として使われています(右図)。
 これと同じように、ジョイントを付けたキャップが観賞魚の飼育に使われているのです。
 醗酵型炭酸ガス発生装置の自作にです。
  この装置はペットボトルの中で酵母を培養して炭酸ガスを発生させ、
 このガスを水槽に送り込み水草の生育を助ける、炭酸ガスを吸って酸素を出す、
 植物の光合成ですね、飼育に重要な役割を果たしているようです。
 
  まず、当方の、プランターの植物に水をやる簡易給水装置ですが、
 その技術のもとを辿ればエチジウムブロマイドの吸着システムで、
 その前は電気泳動ゲルの廃染色液の吸着処理、そして、更にその前は、
 VOC(揮発性有機化合物)の吸着処理と綿々と繋がっています。
  吸着カラムの開発では最終的には利用形態を円筒形のカラムに決めましたが、
 市販品にいいものがなくて、結局、遠沈管(左側、遠心分離に使用)の蓋と底部に
 穴を開けてジョイントを接着してカラム(右側の2種類、25mlと50ml)としました。


ペットボトルを利用した醗酵式炭酸ガス発生装置の自作について、その苦労ばなしを読んでいると、とても面白いです。
Youtubeにも多数アップされており、いずれもアクセス数が多く、7万回のもあります。

 わたしは観賞魚を飼育していないので、それらについての知識はありませんが、
共通する技術があるようなので、役に立てばと思い書きます。

1)キャップとジョイントの接着について
 みなさんが最も苦労されたところのようです。
 グルーガン、シリコンコーキング、汎用あるいは瞬間接着剤などを試みて、決め手はないみたい。 
 そこに商機があり、別途から転用の商品がオークションに出ています。よく売れているとのことです。
 私も吸着カラムを作るとき、上記の接着方法をいろいろと試しましたが、確かに難しかったです。
 今は、前処理と硬化接着剤により強固に接着されたものが得られています。

 作ったのは写真のように、ジョイントが2つ、1つにはゴムのキャップが被さっています。
 簡易給水装置では空気抜きでしたが、ここでは炭酸ガスの圧力抜きにもなります。  
 
2)醗酵について
 材料は酵母と砂糖と塩と少ないので、これに関しての問題はないでしょう。
 培養は液体培養と固体培養の2通りあり、固体培地はゼラチンと寒天の2通りで、
 液体培地は醗酵が急激に進むので、その制御にいろいろ工夫されているようで、改善の余地はありそうです。
 改善策として、固体培養はどうかなと、思っていますが・・・。

3)加温のこと
 これもいろいろと苦労されているようですが、ヨーグルトメーカーが使えます。
 ただし、カスピ海ヨーグルト(25〜27℃)に使える機種が必要です。
 可変の温度設定に対応している機種は、昔は高かったのですが、
 今では2,000円〜2,500円で手に入ります。もちろん高いものもあります。
 最初に買ったのは左の機種(東京企画販売、TKSM-019)で、
 現品限りで半額と安かったから。8時間で自動的に電源オフになります。
 右(ヒロ・コーポレーション、HG-Y260
)にはその機能はありません。
 性能は同じ、夜は必要ないようなので、どちらがいいのか・・。
 これを使えば、冬の保温、転倒や培養液の混入などの心配はなくなります。  
 
4) トラップ兼カウンターについて
 醗酵式二酸化炭素[ペットボトル]の書き込みから思いつきました。
  書き込みではペットボトルの代わりに平底フラスコが用いられており、
 水槽の間にはトラップ兼カウンターが設けられています。
 そこで作ったのが、これです(写真)。 遠沈管を用いてます。
 ペットボトルの連結でもよいでしょう。
 キャップのジョイントは2箇所、底部にはジョイントは必要ありません。
 ジョイントの下部には7cmほどのPVAチューブがつながっています。
 これをU型あるいはJ型とすると、空カラムがストレートのI型として使えます。 

5)醗酵方式による炭酸ガス発生システムについて
 これらの部品を組み合わせると、醗酵式炭酸ガス発生装置はこのようになります(写真)。
トラップ兼カウンターは、これも自作の木製スタンドで固定されています。
このスタンドは、吸着剤のカラムで使っているものです。
逆流防止弁などについては、飼育の知識がありませんので、判りません。
チューブはシリコン製がベストでしょうが、高価なのでソフトPVAチューブを用いています。
ソフトチューブは貝沼産業とコトブキが出していますが、貝沼産業の方が軟らかいです。
なお、コトブキの商品は一部の店舗ではシリコンゴム製と表示されていますが、
シリコン製ではなく、あくまでもPVCです。

 ヤフオク(Yahoo! オークション)に出品しています。
 ネットショップのBASE(ベイス)のZero Color Shophttps://zerocolumn.thebase.in/)でも販売しています。
                                                                  2018/03/03 更新